「日本は1000兆円以上の借金がある」──
そんなニュースやネットの情報、見たことありませんか？
なんとなく「やばそう…」と不安に思ってしまいますよね。
でも実際、「国の借金」って一体何を意味しているのか、ちゃんと知っていますか？
今回は、私たちの暮らしにも深く関係する「国債」や「国の借金」の仕組みについて、やさしく解説していきます。
「国の借金」ってなに？
まず、「国の借金」と言われるものの正体は、国債（こくさい）です。
国債とは、国（政府）が資金を調達するために発行する「借用証書」のようなもの。
要は、「将来返すことを前提に、今お金を借りています」という証明ですね。
実際には以下のようなものが含まれます。
- 国債（建設国債、赤字国債など）
- 政府短期証券（T-Bill）
この2つを合わせると、現在の「国の借金」は1000兆円を超えると言われています。
どうやって国債は発行されてるの？
日本政府は、毎年の国家予算で足りない分を「国債」として発行しています。
仕組みはこうです：
- 財務省が国債を発行
- 銀行や保険会社、日銀などが購入
- 国はその資金を使って政策や事業を進める
つまり、借金して国家運営をしているということです。
国債を買っているのは誰？
国債は、以下のような国内の金融機関などが購入しています。
- メガバンク・地方銀行
- 保険会社
- 日本銀行（日銀）
- 一部の個人投資家
実は、日本の国債は約9割以上が国内で保有されているんです。
つまり、外国に借金しているわけではないというのが大きなポイントです。
借金はどうやって返してるの？
政府は、償還（返済）期限がきた国債を、新たな国債を発行して返しています。
この方法を借換債（かりかえさい）と言います。
一見、「借金を借金で返してる」と思われがちですが、これは企業の社債などでも行われている手法で、ルールの中で運用されています。
もちろん返済能力がなければ成り立ちませんが、日本はまだ信用力があるため成立しているのです。
「日本は借金まみれで破綻する」の？
よく聞くフレーズですが、現時点ではすぐに破綻する可能性は低いとされています。
その理由は以下の通り：
- 借金の大部分が国内で保有されている
- 日本銀行が国債を買い支えている
- 政府には「通貨発行権（円を発行できる力）」がある
つまり、他国のように「外貨建ての借金」ではなく、自国通貨で調達しているため、すぐに返済不能になることは考えにくいということですね。
問題がないわけではない
とはいえ、リスクがないわけではありません。
- 少子高齢化で税収が減る
- 支出（医療・年金など）が増える
- 日銀による金融緩和が長引けば、通貨の信認に影響する可能性も
将来的に金利が上がったり、経済状況が悪化したりすれば、「借金の利払い」だけで財政が圧迫されることもあり得ます。
国債と家計の借金は別モノ
よくある誤解のひとつに「国の借金＝国民一人あたり〇〇万円の負担」というものがあります。
ですが、これは家計の借金と国の借金を混同している表現です。
国家は通貨を発行できる権利を持っており、家計とは全く異なる仕組みでお金を管理しています。
つまり、「国の借金＝私たちがそのまま返さないといけない」わけではないのです。
まとめ：数字に振り回されず、仕組みを理解しよう
「国の借金1000兆円」と聞くと、とても不安に感じるかもしれません。
でも、仕組みを理解すれば、数字のインパクトほどパニックになる必要はありません。
- 借金の多くは国内から調達されている
- 国債は長期にわたり返済されていく仕組み
- 通貨発行権を持っている限り、ある程度の調整が可能
大切なのは、漠然とした不安ではなく、正しい知識を持つことです。
この機会に、ぜひ一度“国の財政”について興味を持ってみてくださいね。
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