なぜ消費税は“全員一律”なのか?逆進性の仕組みと本当の問題点

「消費税って、みんなに同じ10%かかるから公平でしょ?」

そんなふうに思っていませんか?

実はこの「一律10%」という仕組みこそが、
低所得層にとっては重い負担になっている可能性があります。

今回は、消費税の“逆進性”について、できるだけわかりやすく解説します。

目次

消費税とは?

消費税は、商品やサービスを購入するたびにかかる税金です。
現在、日本の標準税率は10%。食品など一部には軽減税率(8%)が適用されています。

導入されたのは1989年で、当初は3%からスタートし、段階的に税率が引き上げられてきました。

「逆進性」ってどういうこと?

逆進性とは、所得が低い人ほど相対的に重い負担になるという税の性質を指します。

例えば、月収15万円の人と月収100万円の人が、
同じように10万円分の生活費を使った場合:

  • 月収15万円の人 → 消費税1万円 → 負担率:約6.7%
  • 月収100万円の人 → 消費税1万円 → 負担率:約1%

つまり、同じ額の消費税でも、収入に対する“痛み”はまったく違うのです。

なぜこんな仕組みなの?

消費税が逆進的になってしまう理由は、
生活に必要な出費ほど“消費税の対象になりやすい”からです。

高所得者ほど「貯金」や「投資」にまわせるお金が多く、
そうしたお金には基本的に消費税はかかりません。

一方、低所得者はほとんどの所得を「消費」に使うため、
必然的に消費税の影響を強く受けてしまうのです。

海外ではどうしてるの?

国名消費税率逆進性対策の例
日本10%一部食品は8%(軽減税率)
ドイツ19%食品など7%(軽減税率)
カナダ約5〜15%低所得者には還付制度あり
スウェーデン25%子育て世帯や高齢者向けの手厚い還元あり

“税率が高くても逆進性を補う制度”がある国も多く、
「一律に取って終わり」ではない仕組みが整っているのが特徴です。

じゃあどうすればいいの?

課題として挙げられているのは:

  • 生活必需品への軽減税率の範囲を広げる
  • 所得に応じた“還付”や“減税”制度の導入
  • 高所得者層への他の税(例:金融所得課税)での調整

消費税そのものの廃止は現実的ではないと言われていますが、
今のままでいいのか?という議論は、これからますます重要になりそうです。

まとめ

「みんな平等に10%」と聞こえはいいですが、
実際には生活に余裕のない人ほど大きな負担を感じやすいのが消費税です。

逆進性を理解し、より公平な制度に近づけるために、
まずはこうした仕組みを知っておくことが大切かもしれませんね。

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