「103万円超えると損するって聞いたけど、なにがどう損なの?」
「130万の壁って…超えたらなにが起きるの?」
──そんなモヤモヤを抱えたまま働いている人、実はとても多いんです。
特にパート主婦や子育て世帯にとっては、
「扶養に入ってる方がいいのか」「働きすぎると損するのか」が超リアルな悩み。
でもこの“壁問題”、
よくよく仕組みを知ってみると、実はそんなに怖いものじゃないかもしれません。
この記事では、
- 扶養控除とは何か?
- 103万・130万の“壁”の本当の意味
- 「どこまで働くのが一番得?」に答えるヒント
を、できるだけやさしく、わかりやすくお届けします。
この記事を読めば、
「なんとなく避けてた扶養の話」が、ちゃんと自分で判断できる知識に変わるはずです。
扶養控除ってどんな制度?
まず最初に、「扶養控除ってそもそもなに?」をハッキリさせましょう。
✅ 扶養控除=家族を養っている人の“税金が軽くなる”制度
扶養控除とは、一定の条件を満たした家族を扶養している人が、所得税・住民税の負担を軽減できる制度です。
✅ 控除があると → 課税対象の所得が減る → 結果として納税額が安くなる
✅ 対象になるのはこんな人
- 配偶者以外の親族(子ども・親・兄弟姉妹など)
- 年間所得が48万円以下(給与収入でいうと約103万円以下)
- 生計を一にしている(同じ家計で生活している)ことが前提
※配偶者については「配偶者控除」という別枠の制度があります!
✅ 控除額の目安(所得税ベース)
扶養される人の年齢 | 控除額 |
---|---|
16歳以上〜18歳未満 | 38万円 |
19歳以上〜22歳未満 | 63万円(特定扶養親族) |
23歳以上 | 38万円 |
70歳以上(同居) | 最大58万円 |
この扶養控除があることで、扶養している側(主に配偶者や親)が節税できるというわけです。
“103万円の壁”ってなに?
「パート収入が103万円を超えたら“損”って聞くけど、なにがどう損なの?」
──この“103万円の壁”は、扶養控除や配偶者控除のラインに関わる大事なポイントです。
✅ 103万円の正体は「所得税が発生するライン」
- 給与所得には【基礎控除:48万円】+【給与所得控除:55万円】があります
- 合計で【103万円】までは“課税所得がゼロ”になるため、所得税がかかりません
✅ 超えると“本人”に所得税がかかる
年収が103万円を超えると、
自分自身に対して所得税が発生します(数千円〜1万円程度)
👉 「突然たくさん取られる」わけじゃないけど、“非課税”という特典が消えるという意味で「壁」と呼ばれています。
✅ 配偶者控除も影響を受ける
配偶者の年収が103万円を超えると、
夫(または妻)が受けられる「配偶者控除」も一部制限されます。
- 年収103万円以下:配偶者控除(最大38万円)あり
- 年収103〜201万円:配偶者“特別”控除(段階的に減額)
✅ 結論:「103万円の壁」は、
✅ 自分に税金がかかり始める
✅ 配偶者控除が減る可能性がある
という“ダブルでちょっとだけ損”するラインなんですね。
“130万円の壁”ってなに?
「103万円は税金の話だけど、130万円はなにが変わるの?」
──この“130万円の壁”は、社会保険の扶養に関わる大きな分岐点なんです。
✅ 社会保険の“扶養”に入れるかどうかの基準
配偶者(主に夫)の扶養に入っている場合、
自分で健康保険や年金の保険料を払う必要はありません。
でも年収が130万円を超えると──
✅ 扶養から外れて、自分で社会保険に加入する必要がある
✅ 自分で払うとどうなる?
- 健康保険料:約5万〜7万円/年
- 厚生年金:約10万〜15万円/年(年収により増減)
👉 年間で十数万円の社会保険料負担が発生します。
✅ 実質の“手取り減”が大きく感じる理由
130万円をちょっと超えただけで、
- 社会保険料の天引きが始まり
- 手取りが大幅に減ったように感じる
これが「130万円の壁=損するイメージ」がある理由なんですね。
✅ ただし「厚生年金に加入できるメリット」もあり!
- 将来の年金が増える
- 健康保険の保障内容が手厚くなる
- 出産手当金や傷病手当などの対象にもなる
✅ 結論:「130万円の壁」は“損”ではなく、
✅ 「自立した保険加入者になるかどうか」の分岐点
というわけです。
実際、どこまで働くのが得なの?
「103万円の手前で止めたほうがいいの?」
「それとも思いきって130万を超えて働いたほうが得?」
──この疑問、実は“何を優先するか”によって正解が変わります。
✅ 年収別の“手取り感”ざっくりイメージ
年収 | 手取りの目安 | 備考 |
---|---|---|
103万円 | 約103万円 | 所得税なし・配偶者控除あり |
130万円 | 約122万円前後 | 社会保険料が発生するライン |
150万円 | 約135万円前後 | 保険料を引いても手取り増加 |
180万円 | 約160万円前後 | 配偶者特別控除は段階的に減る |
200万円以上 | 約175万円前後 | 税負担はあるが収入も安定 |
✅ ポイントは「どこまで働けるか」「どんな働き方がいいか」
- 短時間で働きたい&手取りを最適化したい人:→ 103万円以内に収める
- 扶養は気にせずバリバリ働きたい人:→ 思いきって130万・150万円以上を目指す
- 将来の年金・保障も考えたい人:→ 社会保険加入もメリットと考える
✅ 結論:「どこまでが得?」の答えは1つじゃない。
✅ 今の生活スタイル
✅ 将来の働き方
✅ 自分にとっての“バランス”
この3つを考えた上で、自分に合ったラインを選ぶことがいちばん大事なんです。
まとめ:扶養控除と“壁”の正体を知れば、不安は減らせる
「103万円の壁」「130万円の壁」──
なんとなく“怖いもの”のように感じていた人も多いかもしれません。
でも実は、それぞれに明確な仕組みと理由があって、
「働きすぎると損」というイメージは、ちょっとした誤解や不安からくるものだったんです。
この記事では、
- 扶養控除の仕組みと対象者
- 103万円・130万円の壁の正体
- 税金と社会保険の違い
- 年収別の“手取り感”のリアル
- 自分に合った働き方の選び方
を、わかりやすく解説してきました。
✅ 大事なのは「どこで働き方をコントロールするか」を、
“自分で選べるようになること”。
- 扶養の範囲内で働くもよし
- 思いきってフルで働くもよし
- 将来を見据えて社会保険に入るのもアリ
どんな選択でも、知っていれば不安は減らせるはずです。
「なんとなく損しそう…」という不安が、
この記事で「ちゃんと判断できる安心」に変われば嬉しいです。
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