「頑張って稼ぐと、税金もどんどん増えていく…」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
日本の所得税は「累進課税制度」を採用しています。
今回はその仕組みと、なぜこの制度が使われているのかを解説します。
目次
所得税とは?
所得税とは、個人が1年間に得た所得(収入-必要経費)に対して課される国税です。
会社員であれば給与所得、自営業であれば事業所得が対象になります。
累進課税ってなに?
累進課税とは、「所得が増えるほど、高い税率がかかる仕組み」のことです。
日本の所得税は、以下のような段階的な税率になっています(2024年時点)。
課税所得額 | 税率 |
---|---|
~195万円 | 5% |
195万~330万円 | 10% |
330万~695万円 | 20% |
695万~900万円 | 23% |
900万~1,800万円 | 33% |
1,800万~4,000万円 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
なぜこの制度が採用されているの?
主な理由は「所得の再分配」です。
- 所得が多い人ほど、社会的インフラや制度の恩恵を多く受けている
- 所得格差の拡大を防ぐため
- 経済的な公平性を保つため
つまり、単に「多く稼ぐ人を狙っている」わけではなく、社会全体をバランスよく保つための制度なんです。
税率はどう計算されてるの?
注意すべきは、「全額に高い税率がかかる」わけではないこと。
例えば所得が700万円の人の場合:
- 最初の195万円 → 5%
- 195万~330万円 → 10%
- 330万~695万円 → 20%
- 695万~700万円 → 23%
というように、段階ごとに計算されます(=超えた部分だけ高い税率)。
海外と比べると?
国 | 最高税率 | コメント |
---|---|---|
日本 | 45% | 所得4,000万円超から適用 |
アメリカ | 約37% | 所得に加え州税もある場合あり |
スウェーデン | 約57% | 高福祉国家の特徴 |
シンガポール | 約22% | フラット型に近い累進構造 |
日本の税率は“中間的”といえます。
まとめ
「たくさん稼ぐほど、たくさん納税する」という仕組みに疑問を持つ人も多いですが、
制度としては社会全体のバランスを取る役割があります。
制度の意味を知ったうえで、
節税や資産運用など、自分にできることを考えることが大切かもしれませんね。
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